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チョコレートのれきし
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バレンタインのうた

恋とは
せつないもの
秘めるもの
騎士の時代から
こころにたいせつなものをおきながら
その天国の宝を
地上にはもたらさない
もの

昭和を代表する
日本文学史家
ドナルドキーンは
「日本人に、このような騎士道(恋)
が理解されるかは
甚だ疑問だ」
としている

(おっしゃる通り
わたしにゃ
あんたたちの
考えてる事なんざ
分かりゃしません
よ)

こころに、たいせつな人をおきながら
それを
けがそうとせず
告解(懺悔:告白)のときだけは
饒舌となり
金(ちじょうのたから)を悪として
教会のもと、世界中のひとを
その同じ教えのもとにしようと
する
カソリック

バレンタインは
そのカソリックが生んだ
行事だ

けれども

騎士ランスロットは
主君のたいせつな妻を
けがすまいとして
けがし

神の国の実現と
平和を求めるこころは
人と殺(あや)めまいとして
殺(あや)め

金を悪とする
教会は
金から遠ざかるどころか
最も金が集まる場所の一つとなり

いつしか
心のよすがとして
プロテスタントの心意気が生まれ
博愛の
博愛の精神が
うまれる それは

好きな人に 好きなだけ
好きなときに 好きといい

好きな土地で 好きに生き

好きな土地の 好きな人と
好きに
結婚をし それから大好きな
こどもと 好きに暮らす

神さまの ためでなく
お互いの ためだけに
信じて 尊重しあい
ときに 貯蓄を 人生の
バロメーターにする
そんな プロテスタントたち

チョコレートは、プロテスタントとともに
生き、ひとびとを
いつも見守って来た

一方で 
プロテスタント風の考えは
人に「天職」のこころを呼びさまし
職業人のプライドは火花をちらしながら
技術革新に拍車をかけ
つねに新しいもの
新しい人
新しいかんじょうを
おいもとめる

発展は、奇形にちかいねじれをふくみ
富と技術は
とぐろをまいて
世界にまんえんし 戦争や
恐慌がおこり
そのために死体の山は
みるみる
増えるばかり

富める人はより富み
貧しさは なくなることがない


それでも
人々は
愛する事を
やめない

だから きみは
ゆうきをだして
チョコレートをかうのだ!

そのむねに ひめた恋を
チョコレートという道具で
愛にかえるのだ

(その財布の百円玉を
この愛に かけろ!)

すべての
ただしいこと
ただしくないことは
思い出の中に
見いだせる

さまざまなギセイをへて
人々はこころに
自由な愛を手に入れた

君の心にある愛は
一つの兵器だ

だから チョコレートを
かうのだ!

苦くて
あまい
この思い出のつまった
チョコレートを

苦くて
あまい
この思い出のつまった
チョコレートを

かうのだ!

かうのだ!

かうのだ!


****



「おとうさん」
「なんだァい マァ?」

「チョコをあげるよ」

「ワ ワ!ありがとう!」


チョコレートカスタマイズ 
おわり



ミルトン・ハーシー物語 2

今やハーシーチョコレートのシェアは
人々の疑うところではなく
全米でナンバーワンだ

それは独自の
フレッシュなミルクの味わい
父親とチーズ業の話をしたときの
ノウハウ
レビッキーとキャラメル製造したときの
さまざまな ノウハウが つまっている

それにフォーディズム的なかんがえかた
それは屠殺場での
ブタの解体を
逆回しにするプロセス(生命体を
解体するのではなくて
解体されたパーツを
一つ一つ組み立て
有機物を作るシナリオ)
をふんだんに応用していた

時代が
大量消費を呼んでいた
安い事が
消費者にとっての正義だった
安さが
市場にとっての
神の手だった

ミルトンは、慈善の精神から
子どものこづかいで買える
ニッケル(5セント)バーを開発する
これが
初期のハーシーチョコレートの
アイデンティティ
子どもの小遣いで買える
高級な
砂糖菓子
駅の売店や、露店
大量消費が始まった
新しい時代のアメリカの
すきまというすきま
心のかたすみに
しっかりと食い込んだ
ニッケルバー(チョコレート)

「しかしね、大量消費というのは
よくも悪くも、かつてないような
ものすごい力(カロリー)なんだ
世界中すべての人が、砂糖なら砂糖で
同じ方向向いて
日夜戦争をしているような
世界でもあるんだよ
たとえば庶民の滋養に答えるための
砂糖は、やはり南米から手にいれてるんだ
カカオは、アフリカから
紅茶の歴史と同じこと
庶民にポピュラーになり、安くなればなるほど
矛盾は大きくなる
僕たちにとって不幸なのは
その今や地質的な力とも呼べる
膨大なカロリー消費を
想像する事ができないということなんだ」

「なんか、
いきなり話が
つまんなくなったよなあ
次女」

アタマのうしろで
腕をくんで次女を
見る長女
次女は、デメルを食べているので
黙って
聞いている!

「例えばこんな話がある
第二次大戦中に日本ではグルチョコというのがあった
これは戦争でカカオの供給がストップしたから
代替品として百合の根などを
カカオのかわりにもちいた
チョコだ
もちろん、うまいものじゃないが
そこまで苦労して
ひとびとに
チョコを作ったり、作らせたわけなんだ
栄養になれば なんでもいい
たらふく喰えればいい
っていうだけじゃない何か(Something)があるのが
分かる気がするだろう
テオブロミンの入ってないチョコなんて
いわば「魂のぬけた」チョコだが
輸入できないんだから
こういうわけになる
それは戦争によってもたらされた
弊害
という話ではなくて
こういった「不便さ」や「便利さ」
そのものが
大量消費の時代の
戦争の一部(カテゴリー)なんだよ」

より象徴的なチョコレート それは
ハーシーのD.レーション
軍人の食料だ
アメリカ軍部は、太平洋戦争にそなえて
効果的にカロリー摂取ができるレーション(軍用食)の
開発を行っていた
そのレシピの一つとして
白羽の矢がたてられたのが
ハーシーのニッケルバーで
ある
すでに、軍部は
ハーシーが、キューバに
大量の砂糖のネットワークを
築いている事を調べ上げていた
ある意味、手頃なカロリー供給源
としての砂糖
その砂糖の兵隊への補給路として
のキューバを
ハーシーによって確立させた
とも言える
軍部はハーシーに言う
「チョコレートは、兵士たちへカロリだけでなく
食べたとたん、
故郷からの手紙をもらったような
あまくあたたかな気持ちを
もたらす事だろう」
D.レーションは爆発的に戦地へ普及した

「てことで、チョコレートのせいか知らないけど
日本はアメリカに占領されて
第二次世界大戦の敗戦国になる。
子どもがアメリカ兵にむらがって
ギブミー、ギブミーっていってる風景みたことあるだろう?」
「ウン、テレビで」
「あれがD.レーションだよ。この光景は敗戦国で
アメリカが駐屯していたところでは
世界中
良くある光景だった。
なにしろアメリカ兵のいるところ
Dレーションありだからね
ハーシーのチョコは
世界中に ふきゅうした


その事を憶えている人は多い
代用チョコではなく
本物のカカオを使った
神の果物の味のする
工場で大量生産された
アメリカ兵のくれた
ハーシーの
チョコレートの味の事をだ

「ソクーロフの「太陽」という映画にもチョコレートが
出てくるんだ
敗戦の後、日本のテンノーがアメリカ人から
送られるのが、やっぱりハーシーチョコだよ。
数千年の歴史があるといっておきながら
カカオひとつ取り寄せられないで
百合の根のチョコをたべる
国のエンペラーに、大量消費時代の
チョコを食わせて
うまいと言わせてるんだから
気がきいてるよ」

かくして
カカオの神から火と共に
アステカに伝わったチョコレートは
大量の血と気の遠くなるような黄金とともに
スペイン=ヨーロッパに伝わり
そこで、砂糖とまざりあう
やがてアステカ=カソリックの教えから
プロテスタントの時代へうつりかわり
大量消費時代にアメリカで
新時代のチョコレートが誕生し
のちにバレンタインにチョコをプレゼントする
という慣習(Custom)を持つにいたる
国のテンノーと庶民の口に入り
チョコレートの歴史は
その
一幕を
とじる

これまでにおびただしい数の人の命が
失われ
これからどれだけの尊い
命が失われるかは
我々の
想像の
はんいを
超える

「けどね、ひとつ言えるのは、チョコレートの歴史の中で
愛がついえた事も無かったということだ」

長女は
チョコを
電子カーペットのうえへ
はきだした

「なんだって?」
「愛だよ、愛、キリスト教の愛」
「ハア」
「スペイン人たちが土着化したのは
金銭的なことだけじゃない
たとえいびつだったとしても
他にいき場所がなかったからにせよ
心根が腐っていたにせよ
メソアメリカという土地に
愛着があったからだ
でなきゃみんな自殺してるよ

スペインの征服者
コルテスには通訳をしてくれた
現地妻であるインディオの
マリーナというひとがあった
この人は、一部では売国女と
いわれている
コルテスがインディアスを滅ぼした
功労者であるわけだ
それだけ懸命に コルテスに尽くした

マリーナはコルテスをククルカン(チョコレートの神)の
再来と信じた一人だったが
そうは言うが
やっぱりコルテスが好きになって
それでねんごろになり
仲間をうらぎってでもそれを
押し通し同胞すべてをを滅ぼすに
至るわけで

いろいろあるけど
個々人は
それなりに愛し合い
自分だけの愛を勝ち得て(win someone's love by customaization)
子孫を作っていった
んだと
思うね


チョコレートの時代に
カソリックはプロテスタントという宗派を生み
それは
あけっぴろげな愛情を持っていた
つつみかくすことをしない
あけっぴろげな愛情
他人を信じ、たくすことで
他人とのいとなみ(Custom)を
あかす その時
チョコレートは
ぼくたちの
心臓を流れる血であり
触媒であり
魂を燃焼させるガソリンであり
海を渡る黄金であり
目から流れるなみだであり
額から流れる汗であり

「そして
チョコレートは
愛する人に届けるための
甘い何か(Something sweet)
なんだなあ。。。

ハハ」

長女は
チョコをむさぼり喰う
次女を尻目に

「それを
言うためだけに
今まで
ずっと
こんな長い時間
しゃべってた
わけ?」

と、たずねた。ともだちは
顔をあからめて
「ウン」
と、こたえ
た。

おわりへ
前回までのあらすじ

教会で啓示をうけたともだちはお金をもって電車にのった

****

ともだちが意気揚々とした顔で
家路についたのが19:30
はやめの晩飯は終わっており、
こどもたちは任天堂のWiiスポーツをやって
手堅く汗をながしていた
「帰ったよー」「オヤジウゼー」「モニターが見えない」
「みんなにみせたいものがありまーす」「ウゼー」
「おみやげだよ、チョコだよ」「ウゼー」
「チョコだよー」ウ

「チョコ?」
こどもたちふたりは、一旦ゲームをポウズして
つめたい顔のまま
おやじのかかえるつつみ紙をみた
「これは?」
「フフ、散財して世界中のチ
ョコを集めてきました、フフフ」
次女は
すでにガサゴソ
ふくろの中を 物色している
「おとうさん、これは?」
「これはデメル(DEMEL)の
バンブーチョコ、
オーストリアはウィーンの老舗、
ウイーン王宮前の
ミヒャエル広場から
グラーベン通りをぬけた
ところにある
ザッハトルテ
でもゆうめいだ。
フィンガーチョコでも、
小枝でもないよ」

「じゃこれは?」

「リンツ(Lindt)、
こっちがストロベリーで
白いのが100年以上歴史のある
ビタースイートサーフィン、
パッケージもそのまま。」

「これは
見た事あるよ、パパ」

「ウン、
キャドバリー(Cadbury)、
英国王室御用達メーカー、
デイリーミルクチョコは
セカイではじめてのフレッシュミルクをいれた
チョコレートだ」

「ウワースゲー。これは」

「カファレル(Caffarel)、
イタリアのメーカー、
神戸まで行って買ってきましたジャンドゥーヤ。
18世紀イタリアビエモンテ州の
自由独立運動を描いた過激の主人公
をパッケージにしました」

「やるじゃねえか、パパ」

「ハハハ、
まだまだあるよ、
こっちのふくろは日本のメーカーで
北海道ロイズのポテトチップチョコレート、
バレンタインデーを日本に伝えたモロゾフ
あとオランダのドロステ(DROSTE)
」と六角形の
細長い箱を振る

「フフ、どーだ長女」
「どーだって、
マァ
ありがたくいただいておくけ
ど、ただ金にものいわせてチョコ買
って来ただけじゃん」
「いや、これは単な
る散財ではない、いいかい、
お父さんはね、
父さんはね、
教会で、
神の啓示をうけたのだ」

「ハア?」

「チョコレートの歴史、
チョコレートを動かす原動力に
なくてはならないもの
それは確かに
砂糖(カロリー)であり
奴隷の労働力(カロリー)であり
略奪だ。
そしてなめらかさを出すためのミルクや
ブルームを出さないための
コンシェ(うつくしい撹拌)
テンパリング(温度調整)
といった
洗練された優雅さ(品質)をだすしくみもいる
しかしだね、
こんなチョコよりも、君に見せたい
もうひとつのチョコがある!」

「なんか鉄子の旅みたいだな」

「その見せたいというチョコは
これだ!
ハーシーバー!(Hershey's Bar)

アメリカでナンバーワンのシェアを
もつチョコバー」
「これがどうかしたの?」
「これをみておもいだしたのだ」
「何を?」
「ハーシーチョコの創始者
ミルトン・ハーシー
(Milton Hershey)
の人生を」*1

********

さいごの歌
ミルトン・ハーシー物語 1

ハーシーの家は、メノナイト派(Mennonites)、
プロテスタントの
流れをくむ
スイスからの
移民だ

スイスは
宗教改革の育ての親
ツィングリやカルヴァン
を生んだ
(バキバキの)反カソリック
ぜいたくばかりをして 貧民から
金をふんだくるだけとったカソリックに
疑問をなげかけた初めての世代
プロテスタントの血を受け継ぎ
アメリカへ移民した流派の一つが
メノナイト

「おうい、ハーシーはどうなったんだよ?」
「マアマア、ゴディバ(Godiva)の
ホワイトハートでも食べて」
「ウーム(もぐもぐ)」

ハーシーの父親も母親もメノナイトだった
父親の名前はヘンリー、ヘンリーハーシー
この男がのちのチョコレート王
ハーシーの父親なんだが
この人がとにかく新しいものが好き
それで次々と新しい事業をおこしては
失敗ばかりしている

「あらら」

それに対して母親のほうは
生粋のプロテスタントというか
この生粋のプロテスタントの意味が分からなければ
アリとキリギリスのアリとか
働き蜂として形容されるハチとか
そういった
集団でいりくんだものを作る
虫みたいなものを思い出せば良い
プロテスタントと神は、基本的に、カソリックと
違って、信仰の専門家(プロフェッショナル)である
教会を必要としない
つまり
ピアツーピアの信仰なんだな
年がら年中神の声が聞こえる人もいれば
ある意味、とてつもなく内向的になっていく
宗派もあった
カルヴァンの始めたムーブメントは
その
極北にある
といってもいい
カルヴァンは
私の信仰やあなたの信仰は
「言わずもがな」だと言った
この「言わずもがな」というのは
日本人なんかも得意だけど いわゆる
奥ゆかしさというか、

それでさらに
カソリックと比べると 多くのプロテスタントは
ハレの場(魂が浄化される場)をとりたてて
用意しないのも特徴のひとつで
そうなると当然
信仰の実践というのか
みずからの信仰のしるしは
普段からやっていることの延長になる

「つまり、大人なら仕事だ
子どもなら受験勉強かな」
「イエー」
「ともかく、ミルトンの母親
ファニー
は典型的なプロテスタントで
のちにハーシーが富豪となっても
自分は質素な身なりをして
工場で朝から晩まで働いて
チョコの袋詰めをしていたという
倹約の好きな
資本家の母だね」
「パパは?」
「ヘンリー?」
「そう」
「ヘンリーもある意味ではメノナイト系
起業家だったけど、どっちかっていうともっと
自由奔放だ。働くのが嫌いというわけではなく
勤勉だけど、世の中との接点が作れなかった
気の毒な男さ。
ミルトンに会うと夢中になって
自分がいまやりたいことを
まくしたてるんだ
どっちが父親だかわからない

けど
その心意気は純真なものだった
しかし思いつくたびにやっては失敗するから
親戚からの借金が増えるばかり
引っ越し続きで、家計は火の車だった。
石油、金鉱、缶詰、発明、のど飴、なんでもやった」
「チョコレートも?」
「チョコレートは、まだそのころ大量生産
されてない。食べ物といえば、先祖がスイスだから
チーズ業を親子でやろうとか
若いミルトンに持ちかけたりする

ミルトンはつねに父親に友情のような
ものを感じていて、そのつど結構本気で考えたり
もするんだよ

ヘンリーはまた次のアイデアをねるばかりだけど。
まあそんなことで、夫婦仲は最悪
夫は次から次へと借金をふやすだけ
親戚の評判も悪い
しまいには奥さんもあの人は
悪魔にとりつかれているんだと
いうしまつ
しまいに別居」
「あらら」
「ミルトンは子どもだからどっちの
いう事もよくわかるんだよ。だから
すごく苦労するんだね。
で、若くから働き始めて
最初印刷屋で働き始めるんだけど
要領が悪かったのか
一週間でクビ、ふんだりけったりの中で
親戚のおばさんが薦めてくれたのがキャンディー屋の丁稚(でっち)」
「チョコじゃなくて?」
「そう、キャンディー屋。ここの主人が凄くいい人でね
菓子作りに必要なことはすべてミルトンに惜しみなく教えた
なにより大事なのは、道具を
清潔に保つ事
これは、母親が食器をきれいにかたづけていたから
ミルトンにも自然にそなわっていたセンスだった
真面目に働いて、18歳で独立するまでになる」
「へー」
「でも商売べたなのは父親に似てて、始めはゼンゼン
うまくいかないの。
お菓子が売れてないわけじゃないんだけど
お客の要望にこたえすぎて
品揃えを広げすぎて作り過ぎ、すぐ資金繰りがまに
あわなくなる
借金はかさむが力になってくれるはずの
父親にのせられてのど飴の作り始めるが
これも大失敗、事態はドロ沼化する
いろいろあってミルトンはニューヨークで一文無しになってしまう」
「アラー」
「で、母方の実家のラカンスターにもどるも
金を貸していた伯父さんはカンカン
やっぱりお前はヘンリーの息子だとか
こいつら親子は金をむしりとることしか考えない
金喰い虫だとか、ふんだりけったり
全部ほんとうのことだからしかたがないけど」
「そうだね」

ミルトンは、足をひきずりながら
叔父の家を出て行った
どのみち
もう
居場所などないのだ

もうあたたかい
夕餉の時間は
やって来ないのだ

*********
The weight, The band
おもり    ザバンド

I pulled into Nazareth, I was feelin' about half past dead;
半分死んで, "ナザレ"についたが
I just need some place where I can lay my head.
腰を落ち着ける 場所が欲しいだけなのさ
"Hey, mister, can you tell me where a man might find a bed?"
ヘイミスタ 調子はどうか 少し場所を貸しとくれ
He just grinned and shook my hand, and "No!", was all he said.
愛にあふれたオヤジの,”ノー”でお別れ

Take a load off Fannie, take a load for free;
低下労働 ファニー 低下労働 フリー
Take a load off Fannie, And (and) (and) you can put the load right on me.
低下労働 ファニー、延 々 々 すったもんだの悩み

I picked up my bag, I went lookin' for a place to hide;
荷物を置いて, 隠れる場所を探すが
When I saw Carmen and the Devil walkin' side by side.
鬼と悪魔がケンカして小躍りするところさ
I said, "Hey, Carmen, come on, let's go downtown."
あいつだ”ヨーオカルメン!,粋なふうだねダウンタウンは”
She said, "I gotta go, but m'friend can stick around."
そいつが言うにゃ”すぐに,ここからでていけただの乞食め!”

Take a load off Fannie, take a load for free;
低下労働 ファニー 低下労働フリー
Take a load off Fannie, And (and) (and) you can put the load right on me.
低下労働 ファニー、延 々 々 すったもんだの悩み

Go down, Miss Moses, there's nothin' you can say
剛胆 ミスモゼ やれることはもうない
It's just ol' Luke, and Luke's waitin' on the Judgement Day.
そうだルークとルカの審判の日は近い
"Well, Luke, my friend, what about young Anna Lee?"
オウルークなにやってんだオーケー?どうしてるかねアナリーは?
He said, "Do me a favor, son, woncha stay an' keep Anna Lee
company?"
そいつあ答えて言ったよ兄弟,”オメーに関係あるのか?”と

Take a load off Fannie, take a load for free;
低下労働 ファニー 低下労働フリー
Take a load off Fannie, And (and) (and) you can put the load right on me.
低下労働 ファニー、延 々 々 すったもんだの悩み

Crazy Chester followed me, and he caught me in the fog.
気違いのチェスタが霧の中後追い俺にいった
He said, "I will fix your rags, if you'll take Jack, my dog."
お前の荷物をなおしってやったら二秒ででてけと!
I said, "Wait a minute, Chester, you know I'm a peaceful man."
ちょっとまってよチェスタ!有能で愛しい人!
He said, "That's okay, boy, won't you feed him when you can."
そいつが答えて言うことは”食いものなら何もないぞ”

Take a load off Fannie, take a load for free;
低下労働 ファニー 低下労働フリー
Take a load off Fannie, And (and) (and) you can put the load right on me.
低下労働 ファニー、延 々 々 すったもんだ悩み

Catch a Cannonball, now, t'take me down the line
居場所が無いんだ もう俺には何も無い
My bag is sinkin' low and I do believe it's time.
どうしよも無いんだ もう無理だと悟った
To get back to Miss Annie, you know she's the only one.
オカーチャンにも会いたいが それももう駄目だな
Who sent me here with her regards for everyone.
ガタがあちこちきててなみだでまぶたも開かない

Take a load off Fannie, take a load for free;
低下労働 ファニー 低下労働フリー
Take a load off Fannie, And (and) (and) you can put the load right on me.
低下労働 ファニー、延 々 々 すったもんだ悩み

*********

転機は
しかしデンバーでやってくる
たまたま道でばったりキャンディー屋をやってたころ
手伝いをしていた青年
レビッキー(Lebkicher)に会う

彼は無学ながら
キャンンディーづくりについては
堅実に仕事をこなすタイプで
口数こそ少ないがミルトンのサポート役として
ラカンスターのキャンディー屋がつぶれるまで確実に
仕事をこなした
ミルトンの店がつぶれたあとも
真面目にキャンディー屋で働きつづけていた
家を追い出されてどこにも行く当てもなかった
ミルトンだったが、レビッキーは
ひさしぶりということもあり
家に招待して晩飯をごちそうしてやる

「優しい人だね」
「ウン、将来はどうあれ、この時点でミルトンが
大ブレイクするなんて、誰も思ってないからね
レビッキーもそうだ
言っちゃわるいが、このときのミルトンは
乞食同然の存在だ
かつての同僚とはいえ
なかなか家に招待するなんてことは
できない
レビッキーは質素ながらも
まじめにコツコツ働いて
まあ不自由ない暮らしをしていた」
「アリとキリギリスだね」
「そうだね。アリの鑑(かがみ)だね」
「アリ、じゃない、レビッキーはプロテスタントなの?」
「うーん、レビッキーの家はミルトンの母方にゆかり
のある人らしくて、ミルトンの実家が農家を
やってるときに手伝いをしてたりする
たぶん同じメノナイトだと思う」
「うん、それで転機というのは?」
「ミルトンは一文無しだけじゃなくて
さらに借金があった
プロテスタントが救われているか知る
一つの指針は、自分の仕事によって
正しく報酬が得られているか
という事にあるとすると
その頃のミルトンの財布は
真っ黒
お先も真っ暗だったわけなんだが」

どういうわけか
レビッキーは、
自分のコツコツ貯めて
きたその金で
この商才も無く
すべて失敗したこのミルトンという男の
借金を返済してやり
近所の馬小屋を仕事場として借り
そこに菓子の機械を設置してやった

「恐らく
レビッキーの貯蓄は
それで底がついたろう」

そのようなはなれわざをやってのけた朝
レビッキーはいつものように朝飯をつくってやり
馬小屋につれていき

「ミルトン、これが新しくキャンディーを作る
仕事場だよ」
と言った

「ワ、ワ、ワ。。。」ミルトンは
驚いて
声も出ない
あとは
ふたりで だまって
キャンディーの機械を
くみたてるだけ

毎朝
ミルトンは朝起きると
ありがたいことだ
ありがたいことだと
つぶやいてすごし
レビッキーの
朝食を食べて
仕事をした

二人で仕事を初めてしばらくたった
ある昼休みに
ミルトンは、レビッキーに切り出した

「レビッキー
これらのお金は、もちろん返すよ、
返すとしても
それいがいに、君が望む事で
僕が出来る事は無いだろうか?
レビッキー
たとえば、僕の会社の社長になってもらうだとか
いまだって共同経営者だっていうのは
もちろんだんだけど
その
なんというか」

レビッキーは、最初いつものように
何もこたえなかった
後年、ミルトンはレビッキーを評して
「とんでもなく仕事上のことで怒った時意外は
まず口を開かない男」としているが
ミルトンの熱っぽい顔にほだされたか
こんどばかりは口をひらいた
それは
こんな言葉だ

「ミルトン、俺は
自分の金が使われた
場所にいたいんだ

それだけだよ」

これが契約であり
魂の投資であった

だから
レビッキーは
ずっと、ハーシー社と
一緒に過ごし
その生涯を終えた

「で、このあとのミルトンの勢いは
とどまるところを知らない
まずクリスタルAというキャラメルが
全米で大ヒットを飛ばす
これはミルクをまぜたフレッシュな
味わいが功を奏した
トントン拍子に事をすすめ
あっというまにミリオネラーになった
ミルトンだが
いきなりここでキャラメル会社を売って
まだメジャーじゃなかった
チョコレート業を始める
これには周囲も
ミルトンは気が狂ったと言った
レビッキーは黙っていた
しかし、それが未曾有の大成功
僕たちの知る
あのハーシーチョコレートが
生まれる大きな一歩だ」

「なるほどな」

レビッキーの援助がなければ
ハーシーの事業はもうなかっただろう

それともうひとつ
レビッキーの金銭的な援助と
ミルトンが常にこころにとめ、守って来た
アドヴァイスがあった
それは、あの駄目オヤジ、借金ばかりつくって
思いつきがからわまりする
金銭的には何一つミルトンの足しに
なったことのない、父ヘンリーの言葉だ

そのころ二人は、のど飴の事業が失敗して
都落ちして
父ヘンリーは昼間は大工で金をつくり
その金でミルトンのために砂糖を買い
その砂糖でミルトンがキャンディーを作ったのを
夜中また大工仕事が終わったヘンリーが売る
という生活をしていた

けれどそれもいつしかまわらなくなって
ヘンリーは単身別の仕事をするために
また旅にでる
その日の夜も言った助言、

あるときは、別居が決まって長らく
家にかえってれないである日
ふらっとやって来て 来るなり
熱っぽくミルトンに、また自分のやりたい新しい
事業のこと
やれるかどうかも分からない
事業のことを二人でやろうとか
夜通し話してから
朝また別れを告げ
旅立つときにも
言う言葉だ

「いいか、ミルトン、絶対あきらめるな
絶対あきらめるなよ」

つづく


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