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チョコレートのれきし
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ミルトン・ハーシー物語 2

今やハーシーチョコレートのシェアは
人々の疑うところではなく
全米でナンバーワンだ

それは独自の
フレッシュなミルクの味わい
父親とチーズ業の話をしたときの
ノウハウ
レビッキーとキャラメル製造したときの
さまざまな ノウハウが つまっている

それにフォーディズム的なかんがえかた
それは屠殺場での
ブタの解体を
逆回しにするプロセス(生命体を
解体するのではなくて
解体されたパーツを
一つ一つ組み立て
有機物を作るシナリオ)
をふんだんに応用していた

時代が
大量消費を呼んでいた
安い事が
消費者にとっての正義だった
安さが
市場にとっての
神の手だった

ミルトンは、慈善の精神から
子どものこづかいで買える
ニッケル(5セント)バーを開発する
これが
初期のハーシーチョコレートの
アイデンティティ
子どもの小遣いで買える
高級な
砂糖菓子
駅の売店や、露店
大量消費が始まった
新しい時代のアメリカの
すきまというすきま
心のかたすみに
しっかりと食い込んだ
ニッケルバー(チョコレート)

「しかしね、大量消費というのは
よくも悪くも、かつてないような
ものすごい力(カロリー)なんだ
世界中すべての人が、砂糖なら砂糖で
同じ方向向いて
日夜戦争をしているような
世界でもあるんだよ
たとえば庶民の滋養に答えるための
砂糖は、やはり南米から手にいれてるんだ
カカオは、アフリカから
紅茶の歴史と同じこと
庶民にポピュラーになり、安くなればなるほど
矛盾は大きくなる
僕たちにとって不幸なのは
その今や地質的な力とも呼べる
膨大なカロリー消費を
想像する事ができないということなんだ」

「なんか、
いきなり話が
つまんなくなったよなあ
次女」

アタマのうしろで
腕をくんで次女を
見る長女
次女は、デメルを食べているので
黙って
聞いている!

「例えばこんな話がある
第二次大戦中に日本ではグルチョコというのがあった
これは戦争でカカオの供給がストップしたから
代替品として百合の根などを
カカオのかわりにもちいた
チョコだ
もちろん、うまいものじゃないが
そこまで苦労して
ひとびとに
チョコを作ったり、作らせたわけなんだ
栄養になれば なんでもいい
たらふく喰えればいい
っていうだけじゃない何か(Something)があるのが
分かる気がするだろう
テオブロミンの入ってないチョコなんて
いわば「魂のぬけた」チョコだが
輸入できないんだから
こういうわけになる
それは戦争によってもたらされた
弊害
という話ではなくて
こういった「不便さ」や「便利さ」
そのものが
大量消費の時代の
戦争の一部(カテゴリー)なんだよ」

より象徴的なチョコレート それは
ハーシーのD.レーション
軍人の食料だ
アメリカ軍部は、太平洋戦争にそなえて
効果的にカロリー摂取ができるレーション(軍用食)の
開発を行っていた
そのレシピの一つとして
白羽の矢がたてられたのが
ハーシーのニッケルバーで
ある
すでに、軍部は
ハーシーが、キューバに
大量の砂糖のネットワークを
築いている事を調べ上げていた
ある意味、手頃なカロリー供給源
としての砂糖
その砂糖の兵隊への補給路として
のキューバを
ハーシーによって確立させた
とも言える
軍部はハーシーに言う
「チョコレートは、兵士たちへカロリだけでなく
食べたとたん、
故郷からの手紙をもらったような
あまくあたたかな気持ちを
もたらす事だろう」
D.レーションは爆発的に戦地へ普及した

「てことで、チョコレートのせいか知らないけど
日本はアメリカに占領されて
第二次世界大戦の敗戦国になる。
子どもがアメリカ兵にむらがって
ギブミー、ギブミーっていってる風景みたことあるだろう?」
「ウン、テレビで」
「あれがD.レーションだよ。この光景は敗戦国で
アメリカが駐屯していたところでは
世界中
良くある光景だった。
なにしろアメリカ兵のいるところ
Dレーションありだからね
ハーシーのチョコは
世界中に ふきゅうした


その事を憶えている人は多い
代用チョコではなく
本物のカカオを使った
神の果物の味のする
工場で大量生産された
アメリカ兵のくれた
ハーシーの
チョコレートの味の事をだ

「ソクーロフの「太陽」という映画にもチョコレートが
出てくるんだ
敗戦の後、日本のテンノーがアメリカ人から
送られるのが、やっぱりハーシーチョコだよ。
数千年の歴史があるといっておきながら
カカオひとつ取り寄せられないで
百合の根のチョコをたべる
国のエンペラーに、大量消費時代の
チョコを食わせて
うまいと言わせてるんだから
気がきいてるよ」

かくして
カカオの神から火と共に
アステカに伝わったチョコレートは
大量の血と気の遠くなるような黄金とともに
スペイン=ヨーロッパに伝わり
そこで、砂糖とまざりあう
やがてアステカ=カソリックの教えから
プロテスタントの時代へうつりかわり
大量消費時代にアメリカで
新時代のチョコレートが誕生し
のちにバレンタインにチョコをプレゼントする
という慣習(Custom)を持つにいたる
国のテンノーと庶民の口に入り
チョコレートの歴史は
その
一幕を
とじる

これまでにおびただしい数の人の命が
失われ
これからどれだけの尊い
命が失われるかは
我々の
想像の
はんいを
超える

「けどね、ひとつ言えるのは、チョコレートの歴史の中で
愛がついえた事も無かったということだ」

長女は
チョコを
電子カーペットのうえへ
はきだした

「なんだって?」
「愛だよ、愛、キリスト教の愛」
「ハア」
「スペイン人たちが土着化したのは
金銭的なことだけじゃない
たとえいびつだったとしても
他にいき場所がなかったからにせよ
心根が腐っていたにせよ
メソアメリカという土地に
愛着があったからだ
でなきゃみんな自殺してるよ

スペインの征服者
コルテスには通訳をしてくれた
現地妻であるインディオの
マリーナというひとがあった
この人は、一部では売国女と
いわれている
コルテスがインディアスを滅ぼした
功労者であるわけだ
それだけ懸命に コルテスに尽くした

マリーナはコルテスをククルカン(チョコレートの神)の
再来と信じた一人だったが
そうは言うが
やっぱりコルテスが好きになって
それでねんごろになり
仲間をうらぎってでもそれを
押し通し同胞すべてをを滅ぼすに
至るわけで

いろいろあるけど
個々人は
それなりに愛し合い
自分だけの愛を勝ち得て(win someone's love by customaization)
子孫を作っていった
んだと
思うね


チョコレートの時代に
カソリックはプロテスタントという宗派を生み
それは
あけっぴろげな愛情を持っていた
つつみかくすことをしない
あけっぴろげな愛情
他人を信じ、たくすことで
他人とのいとなみ(Custom)を
あかす その時
チョコレートは
ぼくたちの
心臓を流れる血であり
触媒であり
魂を燃焼させるガソリンであり
海を渡る黄金であり
目から流れるなみだであり
額から流れる汗であり

「そして
チョコレートは
愛する人に届けるための
甘い何か(Something sweet)
なんだなあ。。。

ハハ」

長女は
チョコをむさぼり喰う
次女を尻目に

「それを
言うためだけに
今まで
ずっと
こんな長い時間
しゃべってた
わけ?」

と、たずねた。ともだちは
顔をあからめて
「ウン」
と、こたえ
た。

おわりへ
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