忍者ブログ
チョコレートのれきし
[1] [2] [3] [4]
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

チョコレート カスタマイズ 作:水曜会

こんにちは!
ねえ みなさんは チョコレートが どこからきたもので そして
どこへ行くのか、知っていますか? なに、そんなものにはきょうみはないって?
でも ここに、そんなチョコレートに きょうみをもった
好奇心のつよいおんなのこがいました。
年もあけたある日 女の子が 父親である、うさんくさい、みんなの「ともだち」に
声をかけるところから このお話は 始まります。

*******
「ねえDad」

「ねえDad」 なんだい。 「ねえDad。チョコレート王国ってどこにある?」

?。チョコレート王国? コートジボアール(Côte d'Ivoire)のことかな?
あれは共和国だけど。
「そう、そこ」 アフリカの西はしっこ、伊豆半島なら土肥町(といちょう)のあたり
こっから陸路で四万キロっていったところかな 空路で行くなら成田から
エミレーツ航空でアビジャン行き にのるといい
「ありがとう」 はい、どういたしまして。長女

「ねえ、ねえ、おとうさん」 おとうさん 「なんだい、次女」
「バレンタイン帝国って、 どこにあるの?」 バレンタイン帝国?
ヴァチカン市国(tato della Città del Vaticano)のことかな?
「ウン。たぶんそれー」 ウム、ウムウム

「長女、次女、ふたりとも。ちょっとこっちへおいで! 一体なんだって、きみたちはそんなへんな質問をするの?
新年早々、おとうさんはなやみます。 どうしてそんなことを聞くのかと」

「なぜ?」

ともだちはそうたずね。 ふたりのむすめたちは何もこたえられず。
ただ、まぶたをふせるだけ。 調子のいいだけがとりえな ぼんくらの
むこうみずなともだちは ふたりの質問の真意を 知る てだてがない!

やがて
よこをむいて目をふせていた 次女のほっぺたがぷるんと
よこにうごいて、ちいさくて むしばのある、くちが
おおきめに、ひらいた 「あのねえ。長女がねえ」
「ホウ」 「あっばかいうなよ次女」
「長女は チョコをプレゼントするんだ。だからそれを海外からかいにゅうするのね」

「ホウ。 それはおそらくかいにゅう(intervention) じゃなくて、ゆにゅう(importation)だな」

ホウ ホウ! なるほどなあ!長女が誰かにプレゼントとはなあ!
それは たいしたものだ
もう そんなになるかと、ともだちは思う。読んでいた本をとじて、ともだちは
すこしじぶんも目をふせて 「バレンタインだね」 という。次女は
「そう バレンタイン わたしも」とこたえる

父親は閉じた本の表紙をさわりながら ふたりに、ひくい声で いった
「だったら、 スイスにいきなさい」 「スイス?」
「そう、スイス。グリュイエール村で チーズ工場を見た後は
チョコレートトレインに乗って チョコレートの老舗(ろうほ)
カイエ社へ」 スイス チョコレートトレイン

「スイスって どこにあんの?」 「スイスは ドイツの下だよ。ヨーロッパのくにだ。」

「でも。 カフェインはコートなんとかって所でとれるんだろ?Dad?」
「カフェイン? 君がいってるのは <カカオ> のことかな?」
「? だな。 スイスで 美味いコーヒーなんか とれんのか?」

「ウン。 コーヒーの豆と、カカオのまめはべつのものだ 娘よ」
「ヒュー。そうなのか? どっちも黒いか茶色いか(Black or Brown)
どれだけ煎るか じゃねえの?パパ にがいし」

ともだちは、めがねの柄をくわえて すこし考え込んだ で
話をつづける 話をつづけるが 「話をつづけるが、コーヒーと
カカオというのはまずべつのもので カカオが世界で一番とれるのは
コードジボアール、それはアフリカ大陸だ。 ちなみに ややこしくなるが
日本で一番多く輸入している カカオは、ガーナのカカオで、ガーナもアフリカ大陸にある」
「そう、それをいってんのよー。 パパ。 だったら、一番うまい
チョコレートは、とうぜん ガーナだか、コウサムシング に
あるわけじゃない?Dad。 ちがうの?」

それはつまり 産地のものが 一番美味い というかんがえかた だな

「娘よ」 「イエス」 ちなみに、 さらに
混乱させるつもりはないが 娘よ カカオはもともと アフリカの種ではない。
今でこそ 品種改良をほどこされ アフリカで世界一の生産量を誇るが
その起源は メソアメリカ(meso-Americaまたは南アメリカ)
古代アステカ王国(Aztecまたはインカ)にある
つまり チョコレート王国というのは 「かつてチョコレート王国と呼ばれた国はあったか?」
と聞いて たずねるのが正解なのだ マイドーター

それで 真のチョコレート王国 として呼ばれていた国は、もう 今はないのだ

「なぜ?」

その昔、スペイン人がチョコレートの民を みなほろぼしてしまったんだよ

「何か悪い事をしたの?」 「何か 悪い事!」
ともだちは、鼻息をあらくして さっきまで読んでいた。ダイヤモンド社発行の
地球の歩き方  A18 スイス」を ほんだなに しまった
「悪い事、悪い事」 ともだちは
ねんぶつのように ぶつぶついったまま、太ももを
ぴしゃり とやりながら しばらく 本を探す

長女は、そのしまいきれてないで ななめになっている
地球の歩き方 A18スイス」を手に取ってながめて
フー と 息をはいた。
次女は ぬいぐるみをひきずって 部屋から出て行った さようなら 次女

「ようするに。 あんた(ともだち)
今スイスの本を読んで、りょこうにいきたかった だけだろ!」

「あった、あった」 ともだちは
アイケヤで買って来た。二層式のほんだなの中列
べつめい
「ここんところだけ中くらいの本がいれられる(あとは微妙にひくいので」
から茶色の表紙の本をとりだした
「あった、これだ。

The True History of Chocolate(「チョコレートの歴史」)

ここに チョコレートにかんする だいたいすべてのことが 載っている。
日本では樋口幸子 というひとが翻訳している。


この本は ソフィー.D.コウとマイケル.D.コウ の共著になっていてふたりは ふうふだ
奥さんは、はじめの三章まで書いて のこりを旦那さんが書き足した
奥さんはこの本を最後まで書く事が できなかった

「なぜ?、 死んだの?」 「死んだ。 ガンだった。
幸い旦那さんはメキシコ史について の権威だったので、かなしみを乗り越えて
彼女の膨大な チョコレートに関する 資料をひきつぎひとつの歴史
にへんさんすることがかのうとなったのだ!」

ソフィーDとマイケルD たかが チョコレートを知るために
一生のほとんどを使い果たす このプチビュレ(プチ・ビュレオワジー petit bureoisie)どもが
われわれのあたまに、いくばくかの熱を あたえる。

彼らがハーバードで学んだのが 1960年代のはじめ
ソフィーDは1994年「アメリカで 最初の料理」を書き、
その ウィットに富んだ文章と、緻密な
資料を駆使することでアメリカで 評判になりその後料理史研究に没頭する傍ら
世界中の古い図書館をめぐり チョコレートの歴史を釣って
一生をすごした

「この本によれば、チョコレートは もともと飲み物だったと 書いてある
そして 昔は、チョコレートといえば たんなる 苦い汁だったのだ」
「カカオは、甘くはないのかい?」 「果実はともかく、チョコレートの材料になる
種は甘くはない。カカオ自体、甘いものではない」

娘さん 良く聞けよ チョコレートに ついていくつか
君に伝えたい ことがある 時間があったら 聞いてくれまいか?

「聞いてくれる?」 「すこしの間なら」
といって、長女も居間へむかった。

つづく

チョコレートリンク
PR


忍者ブログ [PR]
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[03/16 oratunhuds]
[03/16 isenhamosu]
[03/16 tedmundsta]
[01/03 lelecasto]
[01/03 talbottbac]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
No Name Ninja
性別:
非公開
バーコード
ブログ内検索