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チョコレートのれきし
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ジカソリック1

「わたしについてきなさい。
あなたがたを、
人をすなどる漁師にしてあげよう」(マタイ書 第4章)

ガリラヤ湖
イスラエル国内最大の湖
ここでキリストが漁師であったシモンに言った言葉
ここでは
ティラピアがよくとれる
史実として本当なら
シモンは
鯛に似たこのさかなをとるなりわいをやめて
キリストの弟子となり
ペテロ(礎)と名を変えて
初代ローマ教皇となる

やがて、聖書の時代は終わり
キリスト教はローマ帝国の国教となり
ローマの文化がこんにち残るように
キリストの文化は残った

いまある芸術の多くは
カソリックの名のもとにつくられたし
イスラムからの国土回復(レコンキスタ)も
十字軍(Crusader)もみな
カソリックという一つの糸でつながれている
事業だ

はっとするような
うつくしいもの
あこがれちゃうような
そうごんなものが
カソリックのえいきょうをうけている
場合はおおい

カソリックというもの

ヨーロッパ(旧大陸)の
文化の
すごくおおきなきばんだ

シスター、修道女の考え方
懺悔をすること
いろいろな風習やならわし
(ときにはまじないのような)
みなすべて
カソリック

その
カソリックの
中心たる教皇は、イエスキリストに端を発するのでなく
ペテロ
という
キリストに、おまえは明日の晩私の事を知らないと
三度言うだろうと予言されて
そのとおりキリストを三度うらぎったペテロ
そして男泣きに泣いたペテロ
人間ペテロである

おおよそ神聖と感じるもの
シンボリックなもの
魔をはねのけるもの

カソリックの恩恵を受けている

魔女狩りをしたのも
カソリック


荘厳な建築物 豪華な食事も
きらびやかなマントも
宝石や王冠さえも
この世の富
ゴージャスなもの
心ふるわせる音楽 げいじゅつ(A-R-T)
あらゆるものが
カソリックという
糸で結ばれる
つまりそれは
「幸福」
という
しろいのろい(ディスペル)だ

「むきだしの世界は黒くて、呪われている」
とカソリックは言う
「その呪いをとくこと(ディスペル)ができるのは
カソリックだけだ。魔術は
奇跡を起こす事はない。ほんとうの、きせきでは
ない
純白で、あかるい地金を出すことが
できるのは、神のうしろだてのある
カソリックだけなのだ」
という
「君たちは、罪を
かぶっている!すすけている!」

いう
「君たちの罪を、なくすることができるのは
カソリックだけだ。教会は、それを
可能にする」
という。

がどうあれ
過去、カソリックが
そうだったことは
ある


エクソシスト
はもちろん
カソリック


カソリックは、神の名の下に
世界の中心だったのだ
富は、その中心にせりあがって
くる
自然に
せりあがってくる
ただ待っていれば
金が
集まってくる
その頃、教会(カソリック)は巨大な
ネットワークを持っていた

もし君のせなかに
富をしょいたいなら
簡単なことだ
誰にもおもねることなく
ある考えだけにくそまじめに律儀となり
それが、世界の中心となるような
権威となればよい
富は
自然ときみのせなかに
せりあがってくるだろう
富は
きみのせなかからみみのおくまで
入り込み
かきだし
入り込みかきだしては
権威それじたいをもくてきとし
生き続けるだろう!

「わたしについてきなさい。
あなたがたを、
人をすなどる漁師にしてあげよう」

カソリックをせいしんてきな
しちゅうとした
十字軍はエルサレムを奪還し
(それに略奪が伴い)
レコンキスタは
スペインの国土を回復した
教会は
各地に支部をふやしていき
ますます強大になっていく
教皇を頂点とした
ピラミッド構造
前工程が
後工程を決める
ウォーターフォールモデル

「わたしについてきなさい。
あなたがたを、
人をすなどる漁師にしてあげよう」

ペテロは、人をすなどる漁師
(本人は、否定するだろうが)
どころか
この世の中心にある世界の
覇者となる

これが
聖書の
顛末か。。。。
******
ジカソリック2

ペテロは、人をすなどる漁師
(本人は否定するだろうが)
どころか
この世の中心にある世界の
覇者となる

けれどそれは
キリストという考え方
教えの保護下にあるときだけだ

もう何年ものあいだ
カソリックは
闘い続けていた
それは
イスラム教徒
が占拠していたイベリア半島
少なくとも500年は、この島は
東方とならび
イスラム勢とキリスト勢の
戦いの最前線となっていた
沢山の民族が現れては
ぶんれつし
イスラムとキリスト教のあいだを
行ったり来たりする
沢山の死体の山
おびただしい犠牲
世界の覇権をめぐる
もうひとつのたたかい

その戦いもやがておわりとなり
イベリア半島に
スペインという国ができる
日の沈まぬ国とよばれた
スペイン
214代教皇 アレクサンデル6世に
カソリック王と呼ばれた
英雄のいる国
スペイン
太陽の国

「君たちはのろわれている」
カソリックは言う
「それを浄化することのできるのは
教会だけだ」
16世紀
スペインは
最も浄化され、世界へはばたこうとしていた

*****
ジカソリック3

教皇アレクサンデル6世がしたこと
スペイン王を、カソリック王と呼んだこと
そのスペインにはコロンブスがおり
アメリカ大陸を発見したこと

教皇アレクサンデル6世がしたこと
発見したアメリカ大陸を
宇宙の王たるペテロの名において
キリスト教の国とする旨の
勅書を出した事

勅書がされたこと
スペイン語もろくに分からない
インディアスたちに
スペイン語そのままか、ろくに
教育も受けていない小遣い欲しさの
通訳に適当に翻訳させ
理解できないでいる様子を
宣戦布告としてうけとって
虐殺の小道具にされたこと

スペイン人のしたこと
メソアメリカにいた先住民の
90%を死にいたらしめたこと

そのうち何割かは
犬にたべさせたこと

スペイン人のしたこと
生き残ったメソアメリカの多くを
カソリックに改宗させたこと

そのうち何割かは
犬にたべさせたこと

スペイン人のしたこと
神の食べ物ココアを
ヨーロッパに
持ち帰ったこと

そのうち何割かは
犬にたべさせたこと

スペイン人のしたこと
王様のおくさんを
むりやりおかしたこと

そのうち何割かは
犬にたべさせたこと

スペイン人のしたこと
あかちゃんのうでをもって
ぐるぐる回して
なげとばしあそんだこと

そのうち何割かは
犬にたべさせたこと

テスカトリポカ(ジャガーの神)は死に絶えた
これでもう
心臓を、いけにえにする必要はなくなった
90%の人のいのちとひきかえだ
もう数千万年分
代価は払った
それでさらに
黄金も奪われてから
文明は
かんぜんに
めつぼうしたのだ!

カソリックのしたかったこと
未開の人々をカソリックに改宗させること

世界の中心であるべき
カソリックに改宗させること

僕たちの
この手は呪われている
それを浄化できるのは
カソリック教会だけだ

僕たちの
この手は呪われている
それを浄化できるのは
カソリック教会だけだ

つづく
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前回までのあらすじ
おやじがのうがきたれるつづき

*************


チョコレート カスタマイズのうた 1

いいか、ぼくの可愛いいもうとたちよ
チョコレートのげんりょうである
カカオには
大きく分けて
二つの種類がある
一つは、か弱く、繊細な味したクリオロ種
もう一つは粗野で乱暴なフォラステロ種
もちろん味が複雑で、マイルドなのは
クリオロ種
のほうだ
チョコレートの神は
こういうふこうへいを
カカオにもあたえた

ものにはなまえがある
それは
ひととひと
ものとものとを
区別するためだ
にたようなかたちをしたものどうしは
おなじものだとされる
そのためになまえがある
クリオロ、フォラステロどちらともカカオであることに
ちがいはない

おいしいものを
だれだってたべたいと思うだろう
おいしいもののほうが
価値があると思うだろう

さて
そもそもこのカカオ

メソアメリカの民
にもたらしたのは
ケツァコルアトル(Quetzalcóatl)という名前の神
メキシコ中部古代トルテカ文明の
かみだ

人間に火をもたらしたのも彼だと
ナワ族の伝承にある

「人間は初め火というものを持たなかった。
だから鳥や獣をてにいれても
生のままで食べなくてはならぬし
寒いときには
ひどいくるしみをうけねば
ならなかった
ケツァルコアトル神がそれを見て、非常にかわいそうだ
と考えた。
ある日ケツァルコアトルは、人間たちを呼び集めて
「今日はわしがお前たちに大変便利
なものを
こしらえてやる」
といった。人間たちは喜んで
「ありがとうございます。その便利なものと申すのは、い
ったいなんでございます?」
と尋ねた。ケツァルコアトルはにこりと笑って
「何だか
お前たちのほうであててみるがよい」
といった。人間たちは互いに顔をみあわせて
しきりに考えていたがやがて一人の男が
「わかりました、すばらしい投槍でございましょう?」
といった。「違う」とケツァルコアトルが頭をふった。
「では、どんどん食物を出してくれる器でございましょう」と
また一人の男が言った。「違う」とケツァルコルトルが頭をふった。

人間たちは不審そうな顔をして
「それでは何でございましょう。早く教えてください」
と叫んだ。ケツァルコアトルは明るい微笑をみせて
「火というものだよ」
といった。
「え、火ですって?火というのはどんなものでございます?
そして何になるのでございましょう?」
と人間たちが口々に尋ねた。
「血のように赤くて、太陽の光のように明るく
あたたかいものだよ
これさえあれば、鳥や獣の肉も
生で食べるよりずっとうまくたべられるし
寒いときも気持ち良く日を送ることができるのじゃ」
これを聞くと、人間たちは飛び立つほど喜んで
「大変結構でございま
すね。どうか早くそれをこしらえ
てくださいませ」
といった。
ケツァルコアトル
はだまって、足に穿いていた靴
をぬいだ。そしてそれをさっとうち振ると
血のように赤くて
太陽の光の様に明る
くあたたかなものが
とろとろと燃えだした
「これが火というものだよ。大切にするがいい」
ケツァルコアトルはこういって、火を人間にあたえた
こうして人間世界にはじめて火というものがあらわれた。*1


チョコレート カスタマイズのうた 2

さあ、妹たち、わたしはケツァルコアトルが、カカオをもたらした神だとのべた
そのさいに、その左手にかかえていたのは、クリオロ種(甲種)か、フォラステロ種(乙種)か
歴史は、私に語ってくれているか?
しかしおそらく、クリオロ種であったのではないか
とかんがえる
わたしがその根拠とするのはこうだ

ケツァルコアトルがトルテカ(メキシコ中部)の民に
人間にはじめて火を与えた神
だといったが、トルテカの伝承によればかれは
とうもろこしや、うつくしい花ばな
さまざまなものを人間にあたえた豊穣(ほうじょう)の神
である
そしてなにより、平和を愛した
が、そのために
ケツァルコアトルは神としての地位をうしなう

ケツァルコアトルは生け贄をすることにはんたいし
その考えに敵対する、テスカトリポカ(畏怖の神)に
酒(オクトリ(プルケ(スペイン語である)))をのまされ、酩酊し、淫行にふけるようになり
やがて
王国からの追放を余儀なくされる

古代メソアメリカのひとびとにとって
酩酊する
ということは致命的なことだ
った
はめられたとはいえ
神の台座から
追放される身となったケツァルコアトルは
そのまえに
人間にあたえた
カカオの木をすべて、雑木にかえたという
おそらくこれで、クリオロ種の数は激減したのだろう
あるいは、神の食べ物
であるテオブロマ(これはギリシア語だ)
メソアメリカのネクトル(これも、ギリシア語だ)
はここで消滅したのかもしれない

ケツァルコアトル(ククルカン)=龍、またはへびの神、豊穣をあらわす
テスカトリポカ=ジャガーの神、畏怖をあらわす

テスカトリポカは、アステカの神である
これらは単なる神話ではなくて
実際の話とリンクしている
先住していたトルテカの民は
後発の
アステカの民とたたかうことになる

戦いはアステカの圧勝だった
のちにスペイン人が、心臓をジャガーの神にささげるといった
悪名高い
アステカの文化が、メキシコの地に花開いたのだ
アステカは、メソアメリカの西北
敗北したケツァルコアトルは、追放された神
としてその名をのこし
東のマヤ文明においては
ククルカン(Kukulcan)の名で呼ばれ
ユカタン半島の北部
チチェン・イッツァに今もまつられている

本当の神の食べ物
は、今では失われてしまったのかもしれない
しかし、カカオは、甲種乙種ふたつの種類を
もって、アステカの地に
根をおろした
王が飲むカカオは、もちろんクリオロ種である
数がすくないものは、多くの人が味わえないため
自然と、価値があがるものだ
そして、高貴だといわれるひとびとも
数がすくない
数がすくないから、価値があるのか
価値があるために、数が少なくなるのか
ともかく
王が好んだカカオはクリオロ種である
アステカ王はそれを好んでのんだ
モクテソマ王は、一日50杯のカカワトルを欠かさなかった
という。
神に、もっとも近い男

戦士は
それを飲めば夜通しの行軍をやすやすとやってのけ
貴族が
それを飲めば、強壮と催淫の意味があった
という
神秘の飲み物 カカワトル

アステカ、いや、メソアメリカじゅうで最大の都市
テノチティトラン(Tenochtitlan)
そこを統治した
モクテソマ王
当時人口30万人
世界でも有数のマンモス都市


そこに流れ着いたのが
かの
スペイン人たちである

つづく

(*1ケツアルコアトルの話は社会思想社「マヤインカ神話伝承集」より引用)




「黄金と殺戮って?」
「簡単に言うとだね、メソアメリカ中の人をころしにころして
空いた土地にタダ同然のアフリカ人どれいを
収容して、こきつかって砂糖を作って砂糖のねだんを下げた
んだね

「フム、では黄金は?」
「メソアメリカをほろぼしたときに手に入れた黄金と、
生き残ったアメリカ人をこき使って銀を掘って
その金銀財宝がいっぺんにヨーロッパに流れ込んだ
のだ
その財宝の量が、分かっているだけで黄金200トンと、銀が2万トン、
しかし一説によればこれの二倍が、
スペイン人がメソアメリカを滅ぼした百年のうちで流れ込んだという。」
どっと
「それっていくらぐらいなの」
「少なく見積もって二兆円ぐらいかな、倍なら四兆円だな」
「スゲー」
「うん、年に百億ぐらいか、この金がタダ同然で手に入ったりするのは、
だれの家計にもインパクトのあることだね
この金で奴隷を勝ったり、奴隷を買うためのものを作ったりした
んだ。ころしにころしてきんぴんまきあげてるんだから、石を黄金に
かえる錬金術
とはまさにこのこと
この大量の金銀が流れ込んだのが、近代世界の呼び水のひとすじに
なったといってもさしつかえない。
あらゆる不毛は
この大量の
黄金から始まった。

奴隷貿易もそうだし、大量消費もそう。

例えばぼくの目の前にあるこの紅茶、
(ママにはコーヒーを!)
これもアメリカの砂糖と、アフリカの奴隷の恩恵なんだ
紅茶やコーヒーってなんか
一件
お洒落な感じがするだろう


「あたしは紅茶はにがいくてきらいだけど、まあ砂糖をいれればなんとか
確かに、
しゃれている
といういけんに反対はないよ」

「食後の砂糖。
こういう優雅さは
16世紀初頭においては
貴族だけのものだった。
砂糖はなにしろ、ヨーロッパではとれない
貴重品だったからね
これが百年ほどで
がらっとかわっちゃう

大量の金が流れ込んだヨーロッパはひきつけを
起こしながら
貧富の差を増大させつつ
物価をあげ、総量としては
生産性をあげていった
最初の一撃が
あまりに革命的だったので
これを価格革命(price revolution)という
それまでほとんど上昇しなかった
物価は
短期間で一気に
五倍にはねあがる
上野広小路の
SteakDining鷹のステーキ丼
千円が
一気に五千円だ
たまったもんじゃない!
この”革命”の主要な下手人が
メソアメリカからの濡れ手に粟の
金銀財宝だと言われている
「悪貨は良貨を駆逐する」というのは
偽金のこともあったけど、主要には
メソアメリカから流れてくる
血に染まった金のことだったんだよ
実際この血塗られた金で
不幸になった人も多かった
白い砂糖とひきかえにね」

「価格革命の起こった後で
は、砂糖は
庶民のぜいたく(fixes)、
庶民のぜいたくから
ちょっとのぜいたく
ちょっとのぜいたくから
生活用品に限りなく近いもの(staple)
へと、まるで
虫歯でもひろがるように
変貌をとげていった。

黄金が、
たましいを酸化させていったのだ。
黄金によって
われわれのたましいは
変貌をとげていく
錬金術は
にんげんの
心にすくう
やみをてらす
人間の魂はこの三百年ほどで、急激に
かたちをかえはじめた

これと比例するように、
砂糖のねだんはどんどんさがり
ついに高級だった紅茶は、
労働者がまずい飯を胃に流し込む
ための、甘いお湯となった。」

貧しい人々は 温かい茶をのむことで
何かこころがあたたまるような
錯覚を抱くことができたのだ
本当は
グラス一杯の冷た
いビールのほうが、
はるかに栄養のある飲み物だったのだ
が*1

茶とはここでは
栄養ではなく
何か祈りに通じる
慣習(Custom)なのだ

茶を一度憶えた者は
どんなに貧しい状態で
飢えていても
つい
お茶を買ってしまうのだ
人間としての
最低条件に
お茶が含まれたのだ
価格
革命の
あと

「パンだけの冷たい食事も、紅茶さえあればすこしリッチな
「あったかいメシ」になる
人はパンだけのために生きているのではない
というのは
だから真理だね
これらのことは、イギリスでの
紅茶の習慣の例が顕著だが
この時代、
コーヒーも、チョコレートもまったく同じみちすじを
たどっている。ホットな砂糖。
帝国中の
平民にまでわたる甘くてあたたかい何か
これは、
もとをたどれば
アメリカから流れた金銀と、ころされた古代アメリカ人たちの
恩恵なんだよ


長女は、右手を
はんぶん
あげた

「しかし、なんだってスペイン人は
そんなに
大量のころしをしたの?
金品を
奴らからねこそぎ
りゃくだつしたかったから?


ともだちは、まゆをしかめて、くちにくうきをためて
ボールペンをほっぺににどあてて
くうきをいっぺんにはきだした

「ムーン、この事は
誰にも口外しないと
約束するかい?秘密にする?」
「いいよ」
「君の大事な恋人にも?」
「どうせそんな話にキョウミなんかないよ!」
「ウン、
ただ、金が欲しいだけなら
あいてのきんたまを
ぬきとるようなところまで
する必要は無いんだ

この惨殺に関与したのは、

神だ」

「神って
あの神社の?」

「いや、教会の
ほうの
ゴッド、カソリックの神だよ」
「カソリックってなんだ?」
「ウム、ぼくがこれから話す事は、バレンタインの誕生にもかかわることだから
次女もつれておいで」
「もうひるねしてるよ」
「じゃあおこして来て」
「わかった、わかったが、
しかし」

この世の中に
昼寝の邪魔をしてよいほどに
大事な話など
そうそうあるわけではない
ともかく
ともだちは
長女をつかって次女をおこし
次女は長女をつかってそれをこばみ
いくらか三人の間で攻防がつづくが
最終的にともだちは
ホワイトボードをつかって
事のあらましを
こと細かに話し始めた

「と、こういうわけなのだ」
とともだちはむすんだ。

「へっ!」
次女は、まるで悲惨な、むしでもわいたような
まゆげのかたちをのこしながら
「それが、どうしたの?」
と答えた。

次女はふまんだった。起こされたのもふまんなら
話のすじみちもおかしい、とかんじていたのだった。
次女はまず姉にみみうちをして
姉はうでをくんでそれに
こたえた
とうぜんに、それをみていた
ともだちはともだちで、めんくらっていた。

「ウム、
だからそ
の、チョコレートはこのような多大なギセイのもとにだね」
「まンなイ」
「なんだって?」
「つまんないっていったんだよ」
ともだちのかおは、いつもよりつちけがまして、
なんどかまばたきをして、フウフウいいながら
けんめいにはなしをしはじめる
「つまんないってったってね、つまんないったってね
フウ、それが
真実(しんじつ)、というものは面白
いだとか
つまらないだとか、そういう、なまやさしい(生易しい)もんじ
ゃないんだよチョ
コレートでもなんで
もだ
次女。
ぼくたちは
その事実に少し
でもち
かづいてだね、これが
真実か
というぎ
りぎりのセン
でもって」

長女がアーといいながら
それを制し
た、
「アー、ダー
次女のいうとおりだ。
確かに
あんたの話は
そこはかとなくだが
つまらない
まずまわりくどいし
そんなもってまわった言い方しても
誰も聞かない
でもって
あんた
それで十分じゃないか」

ウム、
確かに
「しかし、しかし。。。」
ともだちも、そうかんたんにひきさがることはすまい。

ともだちが 話したのは
だいたいこんな話だ

つづく

*1 平凡社シドニーWミンツ「甘さと権力」P226に原案



シュガービジネス/インディアスの破壊についての簡潔な報告1
まず
はじめに 
死体のやまがあった

大航海時代の
もっともはじめ
アメリカ行きの船にのったものは
もちろん
王侯貴族
なんかではない

スペインからメソアメリカまで
その距離約一万キロ
船で行けばおよそ90日

その距離と危険性は
当時の人にとってみれば
月への旅行へ 匹敵するだろう
考えてみてもらいたい
そんな土地へ みずしらずの土地へ
陸地からほっぽり出されて
なにものが、いるかもわからない
生きて帰れるほしょうもない
土地へ ふつう
どこのだれが行きたいと
思うだろうか?

アメリカ船にもっとも最初にのったひとびと
それは
志も持たず 
危険を顧みない
体だけが大人になってしまったような
罪人まがい あるいは罪人で
自分の価値の無い人生を
リセットしたくて
うずうずしている 利己的な
恥ずかしい人間たちであったのは
想像に難くない

もし私が大正堂の出したテレビゲーム
ワールドエンドクエストのプレイヤーの
一人なら
こう考える

「黄金の地へたどりつくのは、らくだが針の穴を通るよりかは
易しいだろう
しかし
こんな成功する確率も低い
金をくうだけのばくちうちのような仕事は
人間のクズとか 周囲のにんげんにとっては
価値がなく
死んでもかまわないと思われているものや
いざとなれば
人殺しをへいきでするようなどきょうはある悪党 
ねじまがったまむしの根性をもつもの
忠誠度が低く 体だけ丈夫ならそれでいいといった
それでなにより 
賃金が とても安い
精子のような人間
にやらせる そんな人間のクズども

なるたけ 数多く 送り込む事だ
(忠誠心が高く 聡明なものは
本国のまもりにひつようふかけつだからだ!)


コロンブスの航海から、しようのない人材が集まるということは
あったのだった
そもそも「船乗り」という職業が、重労働かつ、家を持たず
おおよそ人間に考えられるしょくぎょうのなかで
最低だ
とおもわれていた時代
船で住むとは 小指ほどの岡のうえに立つゆうふくな者以外にとっては
監獄に いることと 変わり がない
もちろんふつう
彼らに 家族なんか
いないのだ 愛を語る相手などいない
のだ
こんな
愛も希望も保証も無
い人生をリセットしたくて
すこしでも 風通しよくしたくて
男たちは仕事にかりだされ
船に乗る

のちに
黄金と砂糖の地となる
メソアメリカには
はじめ
このような人材がおおく
流入したのであった

1492年
アメリカ大陸を発見した
コロンブス
その
コロンブスに同行した人の中で
ペドロ・カサスという
じんぶつがいた
のちに「五人目の宗教改革者(Fifth Religious Reformer)」として知られる
ラス・カサスの父である

コロンブスや他の探検家に同行した
多くのごろつきども
けれど
そのなかで
ペドロカサスは探検家として、
また一人のカソリック宗教者として 比較的正しいおこないをし
息子であるラスカサスに
ただいな影響をあたえた
人物であった
のちにインディアスたちに「おとうさん」と慕われる
ラスカサスの礎を築いたのは
ペドロがそのときエスパニョーラから持ち帰った
インディアスの奴隷
だった
かもしれない

ペドロカサスとコロンブスの話をもとに
ラスカサスは
コロンブスの航海記をまとめた。
今日その頃の歴史を知る事ができるのは
ラスカサスのおかげだ

そして、そのラスカサスが書いた書物のなかで
コロンブスの航海記以外に
知られた書物がある
それは
「インディアス史」ならびに「
インディアスの破壊についての簡潔な報告」
である

その本によれば
「(カサスが)はじめてエスパニョーラ島(今のハイチとドミニカ共和国)に上陸したときには
300万人いたインディオは、この本を書いている今200人ほどしかいない」
ということだそうだ

300万人マイナス200人の惨殺

もしエスパニョーラが百人の島だとすると、
生きの残ったひとは
ひとりもいない

恐らく百人いた村には
きつぶした
ふんどしが
一枚
おち
ているだけだろう

カサスにずばぬけて教養がなく
数字に弱いか
あるいは故意に
おおげさに書こうとする気持ちがあって
はたまた
気がちがったのでないなら カソリックである
カサスのこの数字は
ほんとうのことだろう

カサスは、この戦争と呼べない
紛争の40年のあいだに
スペイン人によって、少なくとも1200万人の
アメリカ人(インディアス)が
ころされただろうと
言っている

東京の人口が1200万人だから 東京だったら
全員死んでる 
東京ドームの動員なら300個分の分量だ
原爆百発分

異なる本でもいわゆるインディアスと呼ばれた人々の
(そうそう、彼らはインド人と間違えられて、
その名がついたのだが)
人口の90%は滅ぼされただろうと書いている
10人の村だと、
その数ひとりぼっち
言葉も無い

それが惨殺によるものだけでなく
ヨーロッパから持ち込まれた疫病にも原因があったとしても
最下
層のスペイン人がインディアスにしたことは
疫病よりも
たちが悪かったと
言っても良いだろう

スペイン人がインディアスに行っ
たとされる残虐行為の症例は
枚挙に
いとまがない

ためしに
ラスカサスの「インディアスの破壊についての
簡潔な報告」
のどのページでもいいから開いてみればいい
そこには
つねに非道な行為が書かれている

「私は数えるのも面倒な
ほど多くの場所でスペイン人たちが
手当たり次第にただ気まぐれからインディオた
ちの男や女のてと鼻と耳をそぎ
落としているのを目の前で見た。また、私
はスペイン人たちが数匹の犬をけしかけて
インディオたちをずたずたにさせようとし
ているのを見たし、実際に大勢のインディ
オが犬に苦しめられているのも目撃した。
同じく私は多くの家や村が焼き払われている
のも目にしたが、その数が非常に多くて正確
には言えないぐらいである。またスペイン人
たちが乳飲み子たちの腕をつかんで力一杯とおく
へ投げ」読んでい
ると
けつのあなが
音をたててとじていくのが
自分でわかるだろう

まさに死に至る病

インディアスはかかった
それは
絶望


対するスペイン人が
とりつかれたものとは
何だったのか

「歴史は今でも
事実をふくめて
動揺している

けれど人間は
その歴史に
へその緒つけて
生まれる
のだ。。。
。。。。」

つづく

チョコレートリンク


前回までのあらすじ
長女がバレンタインのチョコを輸入しようとしているのに、おやぢである「ともだち」が能書きこいて邪魔している
****
まず
さいしょに
チョコレートがどうやってつくられるのか

見てみる事にしよう

チョコレートの原料はカカオだと言ったが
古代アステカの時代から
カカオの加工ほうほうは
きほんてきにへんかしていない
いや、本質は、まったく変わらない
とまで言ってもいいかもしれない

カカオはまず
瓜状の大きな実から
どろどろの白い種をとりだして
発酵させ、火で焙り、天日で干す
この発酵と、焙煎が、豆に微妙なががくはんおうをおこし
あの
われわれを虜にする風味になるのだ

発酵と焙煎をおこなうもので
有名なのは中国のウーロン茶だが
いずれにせよ
独特の風味のためのかがくはんのうは
カカオにも欠かせない

アーモンドやコーヒーも
焙煎を行うたべものだが
カカオの精製は、よりふくざつだ!
これをして、リンネが、カカオを
神々のたべもの(テオブロマThe Food of God)と命名したのもうなづける
カフェインなどのアルカロイド(えんきせいのゆうきかごうぶつ)の一つである
テオブロミン の名は テオブロマからなるが
地球上で豊富に摂取できるのは カカオだけだ
この稀少さのからくる芳香が 古代のひとびとを
引きよせたのにちがいない!

ある人の説では
カカオの豆を
ぐうぜん火にくべて
良い香りがし チョコレートの製法をおもいついたという
焙煎されたカカオは
荒く砕かれ、カカオニブ(cacao nibs)になる


てことで、こんなこともあろうかと、
カカオニブを用意しておきまちたよ。長女


といって、ともだちは、ちゃいろい あぶらのすこし浮いた 小さな紙袋の中から
木の実をくだいたような
ガーナ産の ニブをとりだしました
それは 魔法のような 特殊な匂いで
キッチンをつつみこみます

「な、なんなんだよこれ!」
「カカオを砕いたものです
個人輸入しました。
昔のアステカの民も、まあこんな感じでニブにしたと思いなさい」

長女はその魔法のかけらを
ひとつまみ 手に取って
おやぢに 言います

「これじゃ縄文人の ドングリクッキーみたいだな」
「あのホットプレートで焼くやつね。でもまあごらんじろ!ホラ、匂いはどうだい?」
「ン、これはまんまチョコレートだな」
「けど、かじれば?」
「にがい!」

めをばってんにして 舌をだす長女よ
その通り スペイン人が来襲する前のアステカの民は こんな味を
どろどろにして のんでいた
しかしそれがたくさん飲めたのは一部のにんげん
貴族と戦士たち 選ばれた人だけだ
このにが汁が、人に活力をあたえることを
アステカの民は知っていた
恐らくそれは カカオに含まれる
カフェインと テオブロミンのせいではないのか

「まあいくらか香辛料はまぜたようだが
ベースは こんな味だった んだ」

長女は かじったニブを ステンレスの流しにはきだし
大王製紙の エリエールカロリーライトキッチンタオル
でくちをふいてから
「これじゃあ粘土をくちにふくむようなものだな。
ブタのえさにもなりゃしねえ!
こんなもの飲むやつら、
ほろびて当然だ とも思うぜ」
と言う。

確かに 甘い と 思っていたものが
苦かったショックは
大きいものだ わたしも うまれてはじめてとき
納豆は甘そうだ とおもって 食べたら苦いし
くさっている(人によっては発酵しているというが)ので あれから
もう何十年も食べてない 納豆は にがくて まずいものだ!

そうでなくとも 例えば石垣食品の ミネラル麦茶だ と思っていたものが
桃屋の麺つゆを二倍に薄めて 
冷やしたもので もし
それを一気のみしてしまったら と思うと
大塚製薬のポカリスエット だと思っていたものが
米のとぎじるだったら
それを一気のみしてしまったら
と思うと
ぞっとする
わたしたちの多くは 松竹芸能の
安田大サーカスのような
お笑い芸人ではない 長女もそれは おなじだ
だから、長女が、歴史から鑑みても チョコレートの民に
うらみがましいことをいって
のちの人びとを傷つけることがあったとしても
言葉でのことなら 今は しかたがないのかもしれない

実際、アステカの民は
にがじるを、よりによって器から器にうつして
わざわざ 泥遊びのように
泡立てて のむのだから 初めて見る人は
めんくらったにちがいない
しかし 実際
粘土(ベントナイト:bentonite)をおやつにしている人もいるしだな、
けれども
「ウンまあいいか。で、長女、これ(カカオニブ)に足りないものは
なんだ?」
「ん さ、砂糖? 甘さ?」
そう!、砂糖だ!

ともだちは長女をゆびさし
身を乗り出してから後
コップに一杯お湯をいれて
うがいをして
また一杯
こんどは砂糖をひとつまみ
いれて それを
のんだ

ゴクリ! チョコレートにたいせつなもの、二つ目は砂糖だ
甘さ、というものは、古来
たいへん ぜいたくなものだった
とういうのも
甜菜(Sugar beet)が発見されるまで、砂糖の
原料は、サトウキビ(甘蔗:sugarcane)だけだった
このサトウキビは栽培の北限を北緯30度
に持ちこれは
いわゆる「ヨーロッパ」といわれる国々は
ひとつもあてはまらない
その頃、砂糖はヨーロッパでは育てることのできぬ
種だったのだ!

この地理的な状況が、ヨーロッパを
近代世界の脳髄にした 原因の一つと
なった

「砂糖をもたらしたのは十字軍、これもスペインを征服したのと同じ
カソリックの名を冠した軍勢だ。けれど、砂糖はしばらく貴重品
だったし、これも教会が管理して、薬として扱われていた。
小学館のうる星やつらで竜之介のお父さんが、ケーキを食べながら
「これは大人のくすりじゃ」って言ってたの憶えてる?」
「としがばれるぞ」

「甘さ」というのは
はちみつからもとれたが
白く洗練された甘さというのは
生命のエッセンスであるとともに カソリックなんかの
豊かさの象徴(The Symbol of Wealth)
なんだったんだよね」
「ナンダッタ?」

ところで、スペインに渡って来た当時、カカオも、負けず劣らぬ
高級品 だったのだ なぜなら カカオの栽培の北限は
北緯20度とより狭い
つまり ヨーロッパで、カカオを栽培する事は
ぜつぼうてきだ!

カカオに砂糖を入れるというのは
今ならさしずめ
キャビア(caviar:イラン産3万)にドンペリ(Dom Pérignon:30万円(銀座:ゴールドラベル))をかけて、大トロ(キロ4万)をシャリのかわりにして
作る 寿司のようなものだ

「まずそうだな」
「試してもいないのに!」
チョコレートに砂糖を世界で初めていれてのんだのは
スペイン”カソリック王”カルロス一世とされているが
彼が行いたかったのは
恐らく世界の頂点であることのあかしだったろう

「しかし、こんなものが、どうやってコンビニで手に入るようになるわけ?パパ」
「そうなんだ 
チョコレートははじめ、豊かさの象徴(The Symbol of Wealth)
として、スペインに独占的に流れ込み
やがてヨーロッパの貴族たちのあいだで流行した。
けれど、
それは今ぼくらが知っている、チョコレートとは違うものだ。
淡い恋心を伝えるような手段に使える
スイートなチョコレートとは違うものだ
「甘さ(sweetness)」を、稀少品(luxuries)としてでなく、嗜好品(fixes)として
手に入れたところから、ほんとうのチョコレートの歴史は始まるのだが、
その趣向品となるチョコレートに必要だったもの、それはなんだろうか?
長女」
「ん、なんだよそんなのわかんねえよ」
ともだちは白い歯をみせてから
娘にいった
「それは
大量のさつりくと
黄金なんだ!」

つづく
チョコレートリンク


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